2017年5月の現在、ランサムウェアの「WannaCry」(ワナクライ)による被害が世界中で報告されています。
今回の件に限らずパソコンを使っているうえでは様々なことからデータを守る必要があります。
今一度データのバックアップについて考えてみたいと思います。
※ここで記載している「バックアップ」は、主にユーザーが作成・保存したファイルを対象としております。従いまして、Windowsの環境そのものをバックアップするものではありません。パソコンやWindowsに何らかの障害が発生した場合は、Windowsを別途新規でインストールしていただく必要があります。Windowsの環境そのものをバックアップする場合などに関しては別の機会に記事にしていきたいと考えております。
バックアップ取っていますか?
企業であれば大切なデータの消失は避けたいと考えるため多くの場合バックアップを取っていると思います。
ですが、特に個人では定期的にバックアップを取られているのは少ないのではないでしょうか。ほとんどいないかもしれませんね。
理由は以下のいずれかではないでしょうか。
- 自分だけは大丈夫
- 面倒くさい
- パソコンが壊れたことが無く必要性を感じたことがない
- 時間が無い
- 必要性が無いものにお金をかけたくない
など
中でも一番ダントツなのは「自分だけは大丈夫」という根拠のない理由なのではないかと思います。
でも、少し考えてみてください。
日々の中でそこまで困らなくても「あれ?あのファイルどこだっけ?」と思ったことありませんか?
この「あれ?どこだっけ?」がバックアップの第一歩なのです。
バックアップを取る意味とは?
企業であれ個人であれ、日々パソコンを使用していると何らかのデータをパソコンに保存していると思います。
データの種類は様々で、ちょっとしたメモ程度のものであったり、お客様から頂いた重要なデータ、さらには趣味で撮りためた写真などもあると思います。
パソコンが仕事に欠かせないものとなり、各家庭でも娯楽の一つとして使われるようになっている今、多くの情報がデジタル化されパソコンに保存されています。
デジタル化されたデータは非常に脆く、一瞬のトラブルで復旧できなくなってしまいます。
何らかの理由でデータを消失してしまった場合、メモ程度のデータであれば「あぁ、消えちゃった。」とあきらめもつくかもしれません。
しかし、業務上の重要なデータや大切な友人や家族との大事な写真などが消失してしまったとしたらどうでしょう?
企業であれば、労力や費用など大変な損失を被るばかりではなく、信用までも失ってしまう可能性がありますし、個人であれば悔やんでも悔やみきれない状況になると思います。
バックアップを取るということは、そんな事態に備えることを意味します。
データが消失する原因
データが消失する原因はどのようなことでしょう。
- パソコンの物理的な故障:ハードディスクの読み取りができなってしまう。
- パソコンのソフト的な故障:OSの不具合などでパソコンが起動しない。
- 人為的ミス:操作ミスなどで誤って削除してしまう。
- コンピューターウィルス:感染してしまうことでデータを削除されたり、暗号化される。
- 災害:地震や火災などによってパソコンが故障してしまう。
などなど
原因は上記以外でも色々な状況が考えられますが、これらに共通して言えることは消失したデータは復元することが(ほぼ)できないということです。大事なデータが消えるのは一瞬です。
バックアップの場所
当たり前のことではありますが、外部の記憶媒体にバックアップを取ります。
※同じパソコンのハードディスク内では先ほど記述したデータが消失する原因が起きた際に一緒にバックアップしたデータが消失してしまうため意味がありません。
外部の記憶媒体として考えられるものは以下のものです。
- CDやDVD:一昔前はこれらのメディアへのバックアップが主流でしたが、パソコンで扱うデータの容量が大きくなってきていることや、一部のノートパソコンではCDやDVD用のドライブ自体が無いものもあるため最近ではあまりバックアップ用のメディアとしてはお勧めしません。ただし、写真データを整理したりなど目的がはっきりしている場合などに利用する場合はあります。
- USBメモリ:CDやDVDよりも大容量であり、気軽に扱えるためUSBメモリにデータを保存する場合も多いかと思います。一時的なデータの保存であれば問題ないと思いますが、長期間データを保存する媒体としては向いていません。
- 外付けHDD:USBで簡単に接続でき、容量も3~4TBのものも価格が下がってきているため最も手軽にバックアップ行える記憶媒体だと思います。
- ファイルサーバー:企業などで複数のパソコンのデータをバックアップするため際にはファイルサーバーを用意すると便利です。Windowsのパソコン1台をファイルサーバーとして利用しても良いですし、最近ではNASというネットワークに接続して使えるHDDもありバックアップ用の機能も充実しています。
- オンラインストレージ:DropboxやGoogleドライブ、OneDriveなど様々なサービスがあります。価格も無料のものから有料のものまでさまざまです。ですが、それなりの容量を必要とする場合、低価格で利用するにはまだまだな部分とセキュリティの面で不安を感じる方も少なくないと考えられるため、全データのバックアップ先として手軽に利用するまでには至っていないと思います。しかし、オンラインストレージは外部のサーバーへデータをアップロードするため災害が起きた際に強く、またネットに接続できる環境であればいつでもどこからでもアクセスできるため今後有力なものとなっていくと考えられます。
バックアップすべき対象
扱っているデータの全体の容量がそれほど大きくなく、どれを取っておいたら良いのかわからないという場合は全てのデータをバックアップするようにしましょう。
とはいえ、会社などで日々様々なデータを作成したり、大きなデータを扱っている場合などでは、優先順位をつけて必要なデータからバックアップするようにします。
無くなって困るもの、復元できないもの、復元するには大変な時間と労力がかかるものというように考えてみてください。
【企業の場合】
- 取引先とのメール本文やアドレス帳
- 業務で作成した資料(Word/Excel/PowerPointなど)や画像など
- 業務アプリケーションの設定やデータ
- Webブラウザのお気に入りや設定
など
【個人の場合】
- メール本文やアドレス帳
- Webブラウザのお気に入りや設定
- 画像ファイル(写真)
- 音楽ファイル
- 動画ファイル
- 年賀状ソフトのアドレス帳や文面
- アプリケーション設定やデータ
など
重要なデータは人や会社によってそれぞれだと思います。
日々の中でなるべく必要なデータなどは整理してフォルダなどに分けておくことでバックアップを取りやすくしておくと良いと思います。
バックアップの頻度
バックアップ先や対象とするデータを決めたは良いが、いつバックアップすれば良いのでしょう?
バックアップを取る理由はどうしてでしょう?
「パソコンが何らかの理由により壊れてしまってデータが無くなってしまうと困るから・・・」ですよね?
そうです、理想は毎日です。
1日に一回、定期的に毎日決まった時間帯に利用しているのであればその時間内で決まった時間。あるいはパソコンの電源を落とす前に。
仮に毎日パソコンを落とす前にバックアップを取っていれば、次の日パソコンが起動しなくなったとしても、大事なデータは新しいパソコンですぐに利用することが可能です。
もっと短くとることも物理的には可能ですが、あまり短時間に小まめのとっても意味がないのとデータの量によってはパソコンに負荷がかかるため通常の業務に支障が出てきます。
毎日が厳しい場合は、割り切って数日おき、あるいは一週間おきなどでもバックアップを取らないよりは良いと思います。
バックアップを取る方法
最後に、バックアップを取る方法です。
日ごろから大事なファイルを一つのフォルダにまとめている場合は毎回手動でコピーしてもいいかと思いますが、現実的にはアプリケーション関係のファイルもあるのでバックアップの対象は頑張っても一つにまとめることはできないのではないでしょうか?
そんな状態の中で一つひとつ手動でやっていては、ただでさえ面倒に感じていることは続かないものです。また、バックアップし忘れてしまったり、削除してしまうなどのリスクも出てきます。
そんな時はバックアップソフトを利用すると便利です。
フリーのソフトも数多くあり、一度設定するだけで複数のフォルダをまとめてバックアップしたり、設定した時間にバックアップできたり(自動化)、世代管理(複数回前までのバックアップを取っておくこと)も可能です。
ソフトを利用して自動化していくことで、面倒だと感じていたバックアップをより簡単にすることが可能です。
Bizサポートでも、必要なデータは全てバックアップを行っております。
最後に
長々とバックアップについて記載しましたが、ランサムウェアなどの悪意のあるウィルス以外でもハード的なトラブルや、OSの更新プログラムの適用時などソフト的なトラブルも意外と多くありますので、一度バックアップについて考えてみてはいかがでしょうか。
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